2017年2月5日日曜日

【2/5】ギリシア展、アドルフ展

【古代ギリシア展@神戸市立博物館】
ギリシア展って言うと壺絵と大理石彫刻のイメージですが、良い意味で裏切ってくれた展覧会。
なかなかお目にかかれない古代ギリシアの黎明期から展示してある。女性像とか、日本の土偶やインダス文明の土像を思い起こさせる。スペトス型女性像、大英博物館展で見たけど、ギリシアとは頭の中で繋がってなかった。
ミノス文明になると、装飾も華やかになってくる。海洋生物を図像化した壺絵とか。「漁夫のフレスコ画」はかな〜り〈ギリシア〉っぽい。ミケナイになると、装飾品が増えてくるが、印象操作か?
これから先は見慣れたギリシア展に。幾何学模様の壺は、何となくエジプト絵画(死者の書)を簡略化したような気がしないでもなく。そして大理石彫刻にツボ。合間に黄金の装飾品。流行りモノ(?)として、オリンピック関係のモノとか。
会期:~'17・4・2
巡回:東京国立博物館(終了)、長崎県立美術館(終了)

【アドルフ・ヴェルフリ展@兵庫県立美術館】
日本ではほぼ無名の画家、アドルフ・ヴェルフリの回顧展。どういう経歴の方かは公式サイトを参照頂きたい。
31才で精神病棟に隔離入院させられ、以降35年間死ぬまで書き綴った2万5千頁のホンの一部が展示してある。
その内容は緻密であり、病的である。空白を嫌ってひたすら文字と絵と文様で埋め尽くされている。かと言って無秩序じゃない、シンメトリックだし視線の動きを計算しているような流れもある。
でも、その内容は意味不明。文字(ドイツ語?)も意味のある内容かも分からないし、見てるうちにそんなコトはどうでも良くなってくる。自分の経験と知識の網に引っかかりっこないので、考えたって何も出てこない。
そういう訳で、人によって評価は別れるだろう。「何だよ、意味わかんねぇよ」と「何かわからんけど、面白ぇ」のどっちか。でも「見とけ」とは言うかな。ハマったらこれほど面白い画家はいないと思う。
私は「面白かった」派。全作品DVDに収めて売ってくれないかな、本気で。ただ、夢に出てきて、うなされるカモ(苦笑
会期:~'17/2/26
巡回:名古屋市美術館、東京ステーションギャラリー

2017年1月28日土曜日

【1/28】鈴木其一展、京博

今年はどんな作品に出会えるかな?

【鈴木其一展@細見美術館】
江戸後期琳派の其一さん。酒井抱一の弟子とのコト。
商売として確立されてる時代だろうからこそ、「こ、これはっ!」と言う作品が無いのは仕方がないことか。「雪月花美人図」とか、キレイですがね。
個人的に気に入ったのは、ミニチュア作品群。雛飾りに使われたそうな掛軸とか、今だったらミュージアムショップで売られてそうな絵巻物。携帯用に需要があったらしい。
2/19まで
巡回:サントリー美術館(終了)、姫路市立美術館(終了)

【京都国立博物館・常設】
常設と言えども、そこは京博。並ではありません。
特別陳列で泉涌寺の展示。新春恒例の獅子狛犬(狛犬と獅子の違いを初めて知った・大汗)、時代の異なる法然上人絵伝を並べて違いを比べてみたり、投入堂の蔵王権現修復展示などなど。

今年の展覧会チラシも入手。また東京かぁ〜、な展覧会も多々(溜息

2016年10月30日日曜日

【10/29】関大の秘宝・妖怪展・正倉院展

珍しく展覧会が豊作な関西の秋

【関西大学蔵 本山コレクションの精華@大阪歴史博物館】
某関係者から招待券を頂きまして。

大阪歴博は特別展で「真田幸村展」を開催中。こちらは常設の特別陳列です。表題の通り、本山彦一がコレクションし、その後関西大学に寄贈されたモノです。普段は関西大学博物館に展示されている模様。
縄文時代から古墳時代にかけての石器や土器や飾り物、銅鐸銅矛などなど。あと、土偶に埴輪。遮光器土偶も含まれております。そんなに珍しいモノではないのね、これって。
展示室ド真ん中に「こんな偽物掴まされました~」ってやってるのが面白い。
日本各地にとどまらず、世界(南米)でも発掘を行っていたそうで、ペルーの壺の展示などもあります。

【妖怪展@あべのハルカス美術館】
最近、幽霊絵がブーム?浮世絵の展覧会があると、もれなくセットで付いてくるからそう思うだけ?
最初は狐狸に百鬼夜行。能楽好きにはお馴染みの釣狐(白蔵主に化けた狐)です。百鬼夜行は妖怪付喪神大行進。
で幽霊画、歌舞伎の妖怪怪物へと。幽霊図は半分美人画の様相ですね。九相図見たかったなぁ・・・(展示替えの日程が合わず)。歌舞伎妖怪絵は土蜘蛛とか船弁慶(平家の亡霊)とか、とか。ホントに浮世絵好きだったら絶対見たことあるよな、なモノが沢山。
その後の六道絵(要は地獄図)がよかった。展示替えのため一部だけだったけど、全幅展示してくれないかなぁ。来夏の奈良博に期待しよう。
最後は土偶。今日は土偶付いてます(笑)。こちらにも遮光器土偶あり、トリを飾るのは「みみずく土偶(重要文化財)」。土偶は異形の怪物なのかという気はするのだが?
妖怪ウォッチの展示もあるため、観覧者にはお子様方も多し。でも、最後にチョビっとなんだが・・・。

【正倉院展@奈良国立博物館】
混雑は毎度のことなのだが、今年は観客少なめ?
レイトチケット(夜間専用)と通常チケットの合間を狙っての入館。土曜日でかなりの混雑を予想していたのだが、芋洗いほどではなく、少し待てば前に行って見れる程度。
今年は書が少なめで、絢爛豪華なキンキラキンは少なめかと。そのかわりと行っては何だが、鈴とか櫛とかが小物であるもののキリリと光る。櫛を見てたおば様達は「昔の人は髪細かったのねぇ~」って言ってたけど、ほぼ間違いなく奉納用で、人様は使ってないと思うぞ。