2012年5月1日火曜日

【4/30-5/1】東京・美術展覧会

関西に来ない展覧会なら、行くしかない

【レオナルド・ダ・ヴィンチ 美の理想@Bunkamura】
ダ・ヴィンチ真作とされているのは、「ほつれ髪の女」のみだが、ダ・ヴィンチ工房系の絵画も多い。
展示は大まかに分類すると、「聖母子像」、「モナ・リザとほつれ髪の女」、「レだ」の3種類。
聖母子像の大トリを飾るのは「岩窟の聖母」である。真作とされているのはNGAに所蔵されているが、これは工房作で個人蔵のモノ。ラファエロ工房作の「雛の聖母」は貴重かも。
モナリザは後世の模写などなど。一時真作と紹介されていたものもあるが、違うんじゃねぇ?と思った。「裸のモナリザ」とされている裸婦像も展示されているが、まぁそういうネタもあったかもね。昔っから有名でいろいろ弄られた絵だから。最終的には髭まで生やすし。
ダ・ヴィンチで、意外と外せないのが「レダ」だったりする。そういう意味で「レダと白鳥」の2作品は貴重かも

【インカ帝国展@国立科学博物館】
科学博物館とTBSの組み合わせで、定期的に行われている気が・・・確認したところ、前回(09年)のシカン展は東京科学博物館で、前々回(07年)のインカ・マヤ・アステカ展は神戸で見たらしい。古くは99年のモチェ発掘展まで遡って見てます。好きだねぇ  < おれ
今回の目玉は5体のミイラ。一つは麻のミイラ包にくるまれた形で、その他4体はお顔が拝見できます。その内の一体は大変保存状態が宜しいようで、眼球が残ってます。なので、視線がちょっと怖い(汗。いずれも紐できつく縛られ、手の指一本づつも紐でくくられてます。ミイラ信仰というより死者への恐れ(復活とか)じゃないのかなぁ?
チケットの写真はミイラでなくて、副葬品。銅製人形に衣服を着せて、一緒に埋葬したそうな。チケット見ただけではわからん。ちゃんと衣装まで再現させている(骨董風に言えば、ドールですな)ところが凄いし、残っているとこも凄い。そういえば、結構な数の衣装を展示してあったのは、残りやすい気候ってことなのかも。

【毛利家の至宝@サントリー美術館】
有力大名の毛利家の歴代所蔵品。目玉は雪舟の「山水長巻」の全期間展示。雪舟展(02年)以来の公開になるのではないかと思われます。
展示は戦国時代の毛利家から、江戸時代に入る頃までの毛利家まで。戦国時代の展示は、そりゃ血気盛んです。鎧に刀(実践で使った後があるらしい。分からなかった)。「刀絵図」では所蔵している刀の写本で、柄に不動とされた刀には不動明王の線刻が描いてある。当時の人も宗教的な力は借りたかったんだろうなぁ。
歴史好きな人の興味は「毛利元就自筆書状(三子教訓状)」に惹かれるようだが、not歴史系で神社好きの私としては「毛利元就自筆起請文」が目を引く。起請の横にあるのは(展示の解説にも、カタログでも触れていない)熊野那智大社の熊野牛王神札ではないですかっ!神札の解説には『中世、武士の間では血判状として使用』とは書かれていましたが、まさかこんなところでお目にかかることになろうとは。毛利家と熊野大社との関係って、どうなんだろう?
「黒釉兎毫文碗」はお持ち帰りしたかった一品です。綺麗な器です。。。ほれぼれ

【セザンヌ パリとプロヴァンス@国立新美術館】
大規模なセザンヌの展覧会って、これまた99年まで遡るのでは無いかと思われます。横浜美術館でしたか。個人HPを立ち上げた時の、最初のネタだったので、よく覚えています。
普段は軽くスルーする初期の絵画が意外と面白い。父親の別荘の内部装飾で描かれた「四季」とか、セザンヌ的ではな~い。ラファエル前派っぽい?解説ではアングルとの絡みを示唆してますが、アングルっぽいかなぁ・・・。モーリス・ドニ?違うか?
個人的見所は(基本中の基本である)風景画の『首吊りの家』、身体表現の『聖アントニウスの誘惑(オルセー所蔵版)』、肖像画の『自画像』、静物の(これまた基本中の基本)『りんごとオレンジ』の4つ。自画像の野心的な視線が刺さります。

【KORIN展@根津美術館】
久し振りの根津美術館です。前回は改装直前だったような。今回は根津美術館が所蔵している『燕子花図屏風』と、メトロポリタン美術館が所蔵している『八橋図屏風』の2つの光琳がセットになって展示されてます。おそらく、そうそうお目にかかれない光景になるのではないかと思います。そんな訳で、時間的にも体力的にもシンドかったですが、無理して行ってきました。国立新美術館から歩いて・・・・・地下鉄乗るには中途半端な距離なのさ。
感想・・・・・行って良かったです。久しぶりにずっと眺めてたい絵でした。観覧者の殆どが、絵とは逆側の壁に寄って見てるという不思議な光景でした。近づけないオーラでもあるのかな?

次の東京は、夏かなぁ・・・。大英博物館古代エジプト展@森アーツセンター(福岡市美に巡回)、ベルリン国立美術館展@国立西洋美術館(九州国博に巡回)は見に行きたいなぁ・・・。いいなぁ、東京と福岡・・・。

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